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Summer Camp2024


海辺のまち 鎌倉・腰越での初開催

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8月22日(木)~25日(日)の日程で今年も西原育英文化事業団(以下、NCF)ではSummer Campを開催いたしました。北海道から九州、また台湾までと各地から現役奨学生7名、OBOG10名が集まりました。


これまで軽井沢、西粟倉と山での開催が続いていましたが、今年は漁港のある海辺のまち、神奈川県鎌倉市・腰越での初開催でした。腰越は鎌倉―藤沢駅間を結ぶ江ノ電鉄線(江ノ電)で鎌倉から20分、藤沢駅からなら15分ほどの場所に位置し、しらすが特産の漁師まちです。海岸からは江の島を望み、古くから漁業が営まれ現在はしらす網漁、わかめ養殖、小型定置網などの沿岸漁業が行われています。

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また、江ノ電が唯一の路面電車になり道路を走る景観が特徴的な区間でもあります。鎌倉や江の島の観光地としての喧騒をよそに、行き交う地元の方同士が挨拶し合う温かな落ち着いた雰囲気です。ちょうどSummer Camp3日目にはお祭りが行われていて楽しそうに準備に勤しむ姿が見られ、夕方にはお囃子が聞こえていました。

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また、今年は初の試みとして、ゲストハウス3軒を利用した分宿の形をとりました。

メイン会場となったのは築100年を迎える古民家。ぐるりと縁側に囲まれた大広間のある宿で欄間や結霜ガラスなどの建具に趣は素敵に残しつつ、リノベーションされて檜張のお風呂もあり、水回りなどの設備はとても快適に利用できました。こちらのコンセプトは「世代や時間を越えた共有と共創」。NCFとしても非常に共感を覚えるコンセプトで運営され、普段は宿泊施設、また腰越地域の方々が集まるコミュニティ施設として活用しながら古民家を維持されています。


2軒目は同じ運営主体による海まで30秒という立地の築50年の二階建てをリノベーションしたゲストハウス。磨りガラスや鏡に当時からの趣を感じますが内装はとてもきれいなお宿です。

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3軒目はメイン会場に程近い、漁師のオーナーが運営する和室とカプセルタイプの部屋のあるゲストハウス。築70年の平屋がフルリノベーションされ和室には梁組や屋根がそのまま使われており、カプセルタイプの部屋は海をモチーフにしたそれぞれ別の壁紙で彩られています。こちらのゲストハウスでは魚をさばくワークショップも開催されました。

  

今年のメイン企画として例年より近況報告、研究発表の時間を多く取り、お互いにどのような研究、仕事をしているのかを知っていただく報告会を設けました。一泊のみなどの参加者もいらっしゃった関係で、夕食後や午前中など数回に分けて発表の時間を取りましたが、これまでよりもお互いの研究について深く知れる時間となったかと思います。

参加者から発表を聞いての疑問点や現状での課題点についての質問が出たり、実務に携わるOBOGから、またオンラインからも意見が出たり。異分野がご専門の方からは別の視点による質問が出て、普段の研究では出ないコメントをもらえる場面もあり、お互いの刺激になったのではないでしょうか。研究についてはもちろんのこと、自己紹介では今興味関心があることも紹介して頂きましたが、重なる関心事があったり、共通の趣味が見つかったりも。

事務局としては、この場で何か少しでも今後のヒントになるものが得られていれば嬉しいです。それぞれにご専門が異なることで情報交換の場にも発展していましたが、今後これをきっかけにさらに交流して頂ければと願っています。

 

 さて、こちらがメイン、というお声もあるかもしれません。今年は腰越での開催という事で、漁師さんに漁業についてのお話を伺う機会に恵まれ、魚の捌き方を教わるワークショップも行っていただきました。漁師でゲストハウスオーナーの心意気で夜、じっくりとお話を聞く時間をいただくことができました。台風前で翌朝早くから船の台風回避作業にお忙しいところ、一時間超のお時間を取ってくださり感謝に堪えません。

会社勤めを経て漁師になったライフヒストリーや、しらす漁の方法や漁場の範囲など腰越地域での漁について。滅多に聞くことはできない漁師さんのお話に参加者も興味深く聞き入り、質問にもお答えいただきました。今回は残念ながら希望者多数のしらす漁には出られませんでしたが、次の機会にどうぞご期待ください。

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ワークショップでは、丁寧に捌き方を教わり、アジから始めて段々とイサキ、アマダイなど大きな魚にも挑戦しました。最初は見よう見まねで始めた参加者も、何匹かさばくうちに早くきれいにさばけるようになりました。皮をひくのが難しかったようですが、経験者も以前よりきれいに捌けるようになったようです。今後は自分で釣った魚もおいしくお刺身にできそうですね。

 

お楽しみの夕食はワークショップ参加者によるヒラメやアマダイ、アジなどのお造りやなめろう、煮付け、あら汁。中国出身者によって丁寧に作られた本格中華料理も青椒肉丝(チンジャオロース)、青椒土豆丝(ピーマンとジャガイモ細切り炒め)、番茄鸡蛋(トマトと卵の炒めもの)、清炒甘蓝(キャベツの塩炒め)と豪華に四皿!一度にテーブルに並びきらない程の皿数でまさにご馳走となりました。

 

朝食には干物と鎌倉野菜のおひたしや味噌汁、別の日には地元パン屋さんのパンと鎌倉野菜のスープなど地物のおいしい食材を使った料理を堪能し、外食ではゲストハウスオーナー一押しの海鮮料理店で特産のシラスをはじめ豪勢な魚介三昧と例年の事ながら食が充実したSummer Campでした。

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今年は海辺のまち、腰越ならではのプログラムが充実し、ご参加のみなさまには楽しんでいただけたことと思います。遠くからお越しの方も多いですが、鎌倉開催ということで首都圏近郊の方にとっては日帰りや途中参加など柔軟な参加形態が取れたのも良かった点と言えるでしょう。

オンラインでご参加いただいたり、初日だけの日帰りの参加者もいたり、とご参加のみなさまお忙しい日程の中ありがとうございました。採用後わずか二週間足らずの第19回西原・環境奨学金の奨学生も3名ご参加いただき嬉しく思います。参加者のおひとりは「このようなネットワークを作れるSummer Campがあるから、西原・環境奨学金を選びました」と話してくださいました。

来年以降もぜひ、ご参加をお待ちしております!


SummerCamp2024の感想編はこちら

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名称    公益財団法人 西原育英文化事業団 
      Nishihara Cultural Foundation

所在地   〒108−0023 東京都港区芝浦三丁目6番18号
      Tel 03-3456-0707 Fax 03-5730-6852
      URL http://www.nishihara-cf.org
      E-mail info-ncf@nishihara-cf.sakura.ne.jp


代表者   代表理事 西原 彰一

創立年月日 1966年(昭和41年)5月17日
      ※2011年(平成23年)12月7日
       公益財団法人へ移行

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